Concrete CMS(旧称 concrete5)の新しいバージョン「9.3.0」がリリースされました。
久しぶりのマイナーアップデートとなります。今回の目玉は、新しいマーケットプレイスへの接続が正式にサポートされたことです。しかし、執筆時点ではまだ新しいマーケットプレイスはリリースされていませんので、別の記事でご紹介したいと思います。
新マーケットプレイスのサポート以外に、9.3.0にはいくつかの新機能と機能改善、バグフィクスが含まれます。今回のリリースにセキュリティ脆弱性の修正は含まれません。
9.3.0の主な新機能
- ファイルマネージャーにアップロードされた画像に生成されるサムネイルのファイル形式をデフォルトでwebpにすることができるようになりました。
- 画像ブロックに遅延読み込みオプションが追加されました。
- ファイルマネージャーでフォルダを先頭にするオプションが追加されました。
- Atomikテーマと管理画面がBootstrap 5.3にアップデートされました。
9.3.0の主な機能改善
- スケジュール設定時に既存のバージョンの承認を維持するかどうかのデフォルトの挙動が設定できるようになりました。
- ファイルマネージャーの詳細ページがファイルを差し替えた後にリロードされるようになりました。
9.3.0の主なバグフィクス
- CKEditorの最大化ボタンがダイアログボタンの中でうまく動作しないバグが修正されました。
- コンポーザーに要素を追加する際に最初に空白のウィンドウが出るバグが修正されました。
- グローバルエリアにカスタムスタイルが正しく適用されないバグが修正されました。
- ページを編集する際にトピックの選択が解除されることがあるバグが修正されました。
9.3.0の後方互換性に関する注意点
- コアのクラスローダーとオートローダーのリファクタリングが行われました。オートローダーを直接使用していたり、Symfonyのオートローダーを拡張して使っている場合は、9.3.0で正しく動作するかご確認ください。
9.3.0の主な開発者向けアップデート
- 管理画面がBootstrap 5.2から5.3にアップデートされました。大きな変更ではありませんが、開発者は表示確認を行なってください。参考:Migrating to v5
【5/18 追記】9.3.1 のアップデート内容
9.3.0 にいくつかバグが見つかったことで、すぐにパッチバージョンとなる 9.3.1 がリリースされています。主な修正内容は以下のとおりです。
- 9.3.0 ではマーケットプレイスへの接続のためにカノニカルURLを自動でチェックして有効化していましたが、不要な対応だったとのことで変更前に戻されています。
- アドオンのダウンロード時にエラーが発生していたのを、適切なメッセージを表示するように改善。
- PHP7で管理画面のConcteteを拡張ページにアクセスするとエラーが発生していたバグを修正。
- UTC以外でマーケットプレイスに接続していた時の軽微な問題を修正。
- アドオンがすでにインストール済みの際、マーケットプレイスからダウンロード可能なことを表示する際のバグを修正
大きなリリースの直後は、同様にバグが比較的多く見つかることがあります。保守サービスにご加入のクライアント様の場合は、サイトごとに9.3.0への導入時期を検討しご相談させていただきます。【追記ここまで】
今回のリリースでは、弊社エンジニアが行なった1件の新機能、1件のバグ修正が含まれています。また、その他のバグ報告でもリリースに貢献しています。これらはアプリケーション保守サービスにご契約いただいている皆様からのご協力で成り立っております。いつもありがとうございます。バージョンアップ作業の代行をご希望の方は、弊社のアプリケーション保守サポートサービスもご検討ください。