コンクリートファイブジャパン株式会社 代表取締役 菱川です。
取引先の皆様、及びconcrete5オープンソースコミュニティの皆様には、いつもお世話になっております。心より感謝申し上げます。
さて、おかげさまで当社は今月から9期目を迎えます。新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、当社も大きな影響を受けましたが、無事新しい期を迎えることができ、ほっとしています。
この世界を襲った未曾有の危機により、concrete5を選び弊社に継続的にご依頼をいただいている中にも、直接外出自粛の影響を受ける業種であったり、また中国をはじめサプライチェーンの混乱に影響を受ける業種であったり、様々な困難に直面されているお客様がいらっしゃいます。また同時に、弊社も様々なプロジェクトのスケジュールが急に変わることが相次ぎ、まだその影響は続いておりますが、理解のあるお客様に恵まれ、なんとか業務を継続できています。ありがたい限りです。
現在、当社では引き続き全社員のテレワークを実施しております。今回のパンデミックを機にオフィスを廃止するという企業もあるようですが、当社は東京都の感染状況に応じて徐々にオフィスでの働き方に戻していく予定です。これは当社がベンチャー企業であり、また多国籍チームであることから、メンバー同士のコミュニケーションや、多様な価値観の交流を重要視しているからです。しかし、感染者の増加が収まる兆しはまだまだ見えないようです。当面は、お打ち合わせもリモートでの実施をお願いすることになりますが、ぜひお気軽に新規のご相談もいただけると幸いです。
ソーシャルディスタンスが必要になり、オンラインでのビジネスを模索されている企業も多いと思いますが、図らずもそのような世の中の変化と呼応するように、昨期はオンラインWebサービスの開発に多く関わらせていただきました。その中から、当社に直接ご依頼いただいたお客様の事例をいくつか紹介させていただければと思います。
まず、全国渡り鳥生活倶楽部株式会社様のWebサービス「wataridori」の設計・デザイン・システム構築・サーバー構築を担当させていただきました。
https://www.wataridori-life.com/
wataridoriは、全国の魅力的な家を1ヶ月単位で利用できるサブスクリプションサービスです。これまでの観光のような宿泊や観光のサービスではなく、その地域での生活や暮らしに焦点を当て、滞在中の地域との関わりのプロデュースに重きが置かれたサービスになっています。GoToキャンペーンが様々な議論を読んでいるようですが、遅かれ早かれアジア圏頼りのインバウンドや民泊ブームに頼れなくなることが見えている地方にとって、地域創生の文脈における興味深い新たな選択肢となるサービスではないでしょうか。
これまでなかった新しい価値観を、Webサービスという形で世の中に問う、半年というタイムリミットが設定されていた本プロジェクト。私のこれまでの経験から、正攻法(伝統的なウォーターフォール式のプロジェクトマネジメント)では絶対に着地しないと直感。まずは触れるプロトタイプを作り、プロトタイプをブラッシュアップしていく方式でプロジェクトを進めました。
結果的に、このプロトタイピングの手法が、システム面の要件定義だけでなく、クリエイティブ面、法務面においても、サービスインにポジティブな影響を与えたと思います。
また、会員登録や会員管理のシステムをconcrete5に依存することで、それらの設計や実装の時間やコストを節約できたのも大きいと思います。完成された高機能なシステムでありながら、開発プラットフォームとしての柔軟性も持つ、concrete5の本領発揮といったプロジェクトでした。
次に、レタリア株式会社様の幼稚園・保育園の先生のための求人メディア「MeetRii」の構築も担当させていただきました。
もともと、幼児教育機関向けのブランディング支援を手掛けられていたレタリア様。自社媒体を持ちたいということで、concrete5でのオウンドメディア構築を支援させていただきました。
オウンドメディアとしての機能はCMSとしてのconcrete5の機能でもちろんカバーできますし、媒体に掲載している園の先生が、求人情報を編集したり、自分の園ページのアクセス解析を見ることができたりといったマイページ機能はカスタマイズで開発させていただきました。
このようなオープンソースCMSを最大限活用しつつ、ビジネスのコア部分をシステム開発するというハイブリッドなスタイルは、非常に強力です。いずれのプロジェクトも、お声がけをいただいてから半年前後という短期間でのサービスインができているのは、今後ますます不透明なビジネス環境において、オンラインでのビジネスを始めたい方にとって、たいへん頼もしい選択肢になるのではないかと思います。
もちろん、これら以外にも素敵なプロジェクトに数多く関わらせていただきました。また別の機会にご紹介させていただければと思っております。
本年度も、「concrete5で、世界を相手に戦う日本企業をサポートする。」というミッションをさらに推し進めるべく、邁進していく所存です。どうぞ、引き続きご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。