2021年7月7日に、concrete5.org に代わる新しいサイト、 ConcreteCMS.com と ConcreteCMS.org が公開されました。CMSのリブランディングが行われた理由や、新しいサイトの役割について説明した公式ブログ記事(英語)を和訳して掲載します。
私たちは過去6ヶ月にわたり、Concrete(コンクリート)の全てをより良く表現するため懸命に取り組んで来ました。本日、新たなウェブサイトを立ち上げたことを発表でき、とても嬉しく思います!
リブランドの理由
Concrete CMS は、私たちの小さなWeb制作会社がもっと良いCMSを必要としていた2003年に誕生しました。近代建築に影響を与えた建築資材にちなんで、このCMSを「Concrete(コンクリート)」と名付けました。コンクリートは強く、しかも柔軟です。丸みを帯びた物も作れ、コンクリート構造物へ徐々に追加して行くこともできます。コンクリートは強くするほど長持ちします。そこには、ウェブ用の新たな建築資材を考える上で私たちが気に入った考え方がたくさんあります。
私たちは何年もの間、Concrete CMSを単に顧客へのサービスの一部として販売していました。2008年にオープンソースへ移行した時、それが5回目の主要なリビルドだったため、製品名を「concrete5」に改称しました。そして他の誰かがその有用性に気付いてくれることを願い、無料のオープンソースとしてSourceForgeへアップロードしました。それから90日以内にSourceForgeの「今月のプロジェクト」に選ばれ、やがて数十万のウェブサイトに力を与える存在になりました。過去13年の間に私たちはいくつかの激しい浮き沈みや、素晴らしい冒険、そして2度にわたるコミュニティとマーケティングスタックの再設計を経験して来ました。驚くべきことに、本当に「徹底的な」再設計を行ったのは2013年が最後であり、設計の更新がかなり遅れていました。
オープンソースに移行した頃、私たちが焦点を置いていたのは、単純に優れたCMSを構築することでした。自分たちのCMSを、ネジ回しのようなどこにでもあるツールとして説明していました。そのツールを使って犬小屋や超高層ビルを建てることができますが、私たちにとって大事なのは、そういうことではありませんでした。時間が経つにつれ、全ての人に対して全てを満たす存在になろうとしても、あまり誰の役にも立たないことが分かりました。そして、私たちのプラットフォームが本当に力を発揮する特定の利用事例を見て来ました。
Concrete CMSは「安全でありながら簡単に編集できること」が必要なウェブサイトを運営するチームにとって、優れたプラットフォームです。それは、ブログやeコマース、パンフレット類、またはそれ以外のチームにとって価値のある他の種類のサイトにConcreteは使えないという意味ではありません。私たちは確実に自力で取り組んでおり、このプラットフォームが柔軟な建築資材として提供する全てのツールに多くの価値を見出しています。重要な点は、私たちのコアメッセージとロードマップに小さな焦点を見つけたことです。Concrete CMSは多くの人がさまざまな用途に使える柔軟な建築材料でありつつ、安全性を必要とする複雑なウェブサイトを運営しているチームにとっては特に「非常に優れている」ということなのです。
私たちがCMSの世界に提示するユニークな価値に関してそのような明確さを見出すことが、これまで本当に役に立って来ました。だから名前にも、その新たな明確さをいくらか反映させたいと考えました。
また、バージョン9は私たちにとって非常に大きな前進です。これまでに作ってきたConcreteの中でも最高のバージョンであるため、早く公式リリースにしたいと望んでいます。
実際のところ「5回目の主要なリビルド」を大きく超えているため、名前に入っている5はあまり意味がありません。私たちは自分たちのルーツを尊重し、よりシンプルに「Concrete CMS」へ改称することに決めました。「通の」友だちとの会話では単に「Concrete(コンクリート)」と呼んでください。小文字のcや奇妙な5の無い新しいシンプルなロゴは、CMSの新しい見た目にふさわしいものです。
変わったこと
名前と見た目の他に、いろいろなものを付け加えたり、細部を変更したりしました。
ConcreteCMS.org 対 ConcreteCMS.com
私たちは長年にわたり1つのウェブサイトしか持っていませんでしたが、他の多くの企業は商業的な取り組みとオープンソースの取り組みをもっと明確に区別して来ました。現在はそれらの先例に倣い、いくつかのサイトで補完的しながらブランディングを行うことにしました。
ConcreteCMS.com
このサイトでは、Concreteがコンテンツ管理ソリューションのエコシステムにどのように適合するかということを、ビジネスユーザーに伝えています。マーケティング資料、ケーススタディ、動画、ホスティングオプションに関する情報も見ることができます。
また、お金がかかる可能性のある機能は、「.com」というブランドで区別しました。これには、マーケットプレイス、訓練/認定コース、ユーザーのID情報を管理するシングルサインオンプロバイダーサービスなどが含まれます(最終的には課金履歴サービスも加わる予定です)。
ConcreteCMS.org
ここでは、構築のために利用するオープンソースプラットフォームを探している開発者に対しより特化した情報を見つけることができます。CMSのコピーを簡単にダウンロードしたり、コミュニティへもっと関わる方法を見つけたりすることもできます。お金とは無関係のウェブサイトの機能は全て「.org」のブランドが付けられ、フォーラムやドキュメント類、翻訳ツールなどがこれに含まれます。
新しいフォーラム
自分たちの焦点を見つけるという精神で、別のオープンソースプロジェクトを支援し、フォーラムにDiscourseを使うことを決めました。community.concretecms.comでお使いのユーザーアカウントは、自動的にforums.concretecms.orgのフォーラムでも使えるようになります。その両方でバッジやカルマが機能するように、いくつかの統合も構築しました。この機能は、時間とともに改善が続けられます。
これらのフォーラムは順調に機能しており、さくさくと使えます。この新しいフォーラムに引っ越すことが、とても楽しみです。古いフォーラムのコンテンツはSEOと歴史的な目的のために残しておきますが、新しい会話は新しいフォーラムへ移動させるため、古いフォーラムへの投稿はできないようにします。
私たちは組織として、新たなフォーラムの監視と指導により多くの時間を費やすことを約束しています。つまり、コアメンバーが実際にフォーラム内の主要スレッドへ適時に注意を払うため、今後はあらゆることに関し、正確なソースとしてSlackを頼らなくてもよくなります。
今後の予定
完成までにはまだ程遠いものの、私たちは立ち上げたばかりの全てのことに、本当にわくわくしています。
今後数週間のうちにはこのウェブサイトが安定するので、私たちの注目は今、本命のConcrete CMS v9リリース候補版1のリリース準備に移っています。また、ユーザーのConcrete CMSサイトのホスティングにDevOpsパイプラインを導入する、素晴らしい新たなホスティングツールもいくつか用意しました。現在は大企業ホスティング顧客のために組織内で使用していますが、中堅企業向けソリューションに関心のあるユーザーの声が増えているため、pantheon.ioと同様に、ただしConcrete CMS用として、一般公開向けウェブサイトへも広がり始めると予想しています。
もしユーザーがバグやブラウザの問題、または何かが壊れているのを見つけた場合は、サイトフィードバックカテゴリ内の新しいフォーラムへ報告することができます。
これまで「concrete5」としてオープンソースを成長させて来たことは、素晴らしい経験でした。13才の誕生日を迎えたばかりの気分ですが、私たちは「Concrete CMS」として全く新しいエキサイティングな人生の段階に突入しようとしています。このように活気のある支援的なオープンソースコミュニティに加わるのは、光栄なことです。また、私たちの利用するツールをリアルタイムに再構築し、コミュニティの成長を促進できることを、嬉しく思います。過去のプロジェクトでConcrete CMSを選んでいただき、ありがとうございました。そしてこれからも選んでいただけることに、より大きな感謝を送りたいと思います!
原文:It's Here! The New Community Sites Are Live!
最後に、弊社についても言及しないわけにはいかないでしょう。
concrete5 は Concrete CMS に改称しましたが、弊社は引き続き「コンクリートファイブジャパン株式会社」として営業しております。まだ日本のクライアントやコミュニティにも、新しいCMSの名称が浸透していないため、現時点では社名はこれまで通りとなります。引き続き Concrete CMS 開発元の PortlandLabs の日本国内唯一のオフィシャルパートナーとして活動してまいります。
また、近くリリース勧告版が公開される予定の Concrete CMS バージョン9をより信頼できる、素晴らしいCMSとして仕上げるため、弊社のエンジニアも積極的に貢献をしております。新しいCMSのローンチに立ち会える瞬間を楽しみにしています。
今後とも Concrete CMS 並びに弊社に対し、これまでと変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。