concrete5 が日本で使われ出した2010年頃、ドラッグ&ドロップの直感的操作で編集できるブロック型CMSは、高額なエンタープライズCMSではありましたが、オープンソースで提供される例はほとんどありませんでした。そのこれまでにない直感的操作の魅力に日本語コミュニティは活況を呈し、本体からフォークされた「concrete5日本語版」も開発されました。
ユーザーも続々と増えるなか、企業向けのサポート体制の確立の必要性を感じた concrete5 日本語コミュニティの中心メンバーが集まり、下北沢オープンソースカフェを拠点として「コンクリートファイブジャパン株式会社」を創業しました。
concrete5 初の日本語書籍『concrete5公式活用ガイドブック』が発売されました。日本語コミュニティのメンバーが執筆を分担し、当社メンバーも執筆に参加しました。
また、concrete5 開発元の PortlandLabs 社(アメリカ、オレゴン州)に訪問し、日本語書籍を進呈しました。concrete5 のエンタープライズ領域における強みや今後の展開について、様々な意見を交わすことができました。海外の開発者ともオンラインでコミュニケーションが取れ、共同でソフトウェアの開発ができる時代ですが、実際に会うことができたのはとても良い刺激になりました。
この年はアーキテクチャを根本から見直したメジャーバージョン concrete5 バージョン 5.7 がリリースされました。このバージョンから、日本語コミュニティによるマルチバイト対応機能が本体に取り込まれたことで、concrete5 日本語版の開発は終了しました。
東京ビックサイトで開催された Japan IT Week Web&モバイルマーケティングエクスポに concrete5 を出展しました。同展にオープンソースCMSが出展するのは珍しいことと思います。この頃から当社のクライアントも増え、上場企業を始め日本企業による concrete5 の利用が本格的にはじまったように思います。
日本各地に散らばるメンバーがコワーキングスペースに集まり創業した当社ですが、常勤スタッフが増えたため、千代田区・市ヶ谷に事務所を開設しました。
また、concrete5 以外のオープンソースへの取り組みとして、Mautic Meetup Tokyo を初めて主催しました。
この年は、concrete5 メジャーバージョン 8.0 がリリースされました。
スタッフが増え、続く事業拡大に対応するため、市ヶ谷事務所開設後2年を待たず神田に事務所を移転しました。交通のアクセスが良く明るく開放的な事務所は、スタッフでボードゲームをしたり、居心地の良い空間でした。
AWS 運用・構築プラン、社内ポータルパッケージの提供を開始しました。
当社が監修した2冊目の日本語解説書『世界一わかりやすいconcrete5導入とサイト制作の教科書』が発売されました。
AWS Summit Tokyo 2018 にブロンズスポンサーとして出展致しました。
PortlandLabs社に再訪し、世界の concrete5 開発者たちと交流を深めました。また、ポートランドで開催されたPHPカンファレンス「Cascadia PHP 2018」にも参加、当社CTOが登壇しました。
デイリーポータルZのCMS移行をお手伝いしました。当サイトは現在でも Concrete CMS を使用しているサイトの中で最大クラスのアクセス数を誇る人気サイトです。当社にとっても大規模サイトの移行とそのインフラ構築を担当する中で、貴重な経験となりました。
新型コロナウイルス感染症の蔓延と緊急事態宣言の発令は、現在も続く世界的な影響をもたらしましたが、当社にとっても大きな転換点となりました。事業拡大に伴うスタッフの増員に合わせ、さらに広い事務所への移転が決まっていましたが、これを中止。スタッフ全員が自宅で作業するリモートワークへの切り替えが行われました。日本企業の事業環境の変化は当社にとっても事業計画の下方修正を迫られるなど向かい風となりましたが、良いクライアント様に支えられ、スタッフ全員でこれに耐えることができました。
concrete5 の開発を主導するアメリカ PortlandLabs 社は、CMSの名称を Concrete CMS に改称することを発表。また5年ぶりとなるメジャーバージョンとなるバージョン 9.0 をリリースしました。
セミナー・イベント告知サイト構築パッケージの提供を開始しました。
CMSの名称変更に伴い、創業以来「コンクリートファイブジャパン株式会社」として活動してきた当社社名を「株式会社マカルーデジタル」に改めました。
concrete5日本コミュニティという出発地点のことは忘れておりませんが、拡大した当社はもはやコミュニティをルーツにもつメンバー以外が中心になりました。
社名変更を「第二の創業」とし、Concrete CMS の改善だけでなく、個々のメンバーの技術力を伸ばし、幅広いWeb技術力を持つエンジニア集団として、今後もクライアント様の成長に貢献していきます。